寺澤光介 強化指定獲得

千葉認定記録会にて寺澤光介が5.5級の標準記録を突破して、強化指定を獲得した。SUNNY FISH所属でオリンピックディスタンスの強化指定選手は、何年ぶりだろうか。

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2014年に私が引退してから(私もキャリアの後半はロングの強化指定しか受けていない)、新しいサニーエリートチームとして後進の選手たちの強化に取り組んで、5シーズン目、ようやくカタチになった。サニーエリートチームは、一人のコーチが全てを管理するワンマンスタイルではなく、なるべく分業制として、人材に頼るのではなく、組織として継続的に強化できる体制を目指している。予算が限られていたため、私が現場仕事を担当する時期もあったが、サポーターズ(後援会)が機能してくると同時に専門コーチに委託できるようになってきた。初めは学生との合同練習の形で水曜朝に強化スイムを、次に火曜日にインドアバイクにて強化バイク、そして木曜に強化ランと徐々にチーム練習を増やしていった。強い強度でのポイント練習が入ってくると、コンディションを崩す選手も出てきたし、反発する選手も出てきた。強くなる練習をこなすには、練習日だけでなく、他の日の「つなぎ」の練習や練習時間外の過ごし方が重要になってくる。今は、日曜日にもバイクランのチーム練習が入ってきて、競技の第一優先にした生活を送らないとついていけない環境になった。徐々に環境を変えることで、徐々に選手の意識も変わっていったと思う。

環境をガラリと変えることは簡単だけど、選手をドロップアウトさせてしまっては本末転倒で、今いる選手たちをどう意識向上させていくかが課題だったので、生え抜き選手で、努力を継続してきた寺澤の強化指定獲得はまさにサニー強化チームの成長だと感じている。

ただ、本当の戦いはこれからだ。

強化指定を獲得したことで、ようやく海外コンチネンタルに出場できる。つまり、W杯、WTSを目指すためのポイントレースに参加することができるということだ。私自身もポイントレース経験があるので、覚悟を今一度、改めなくては。年間10レース以上にも及ぶ遠征と資金繰り、そして結果を残さなくてはいけないプレッシャー。ただ、自分が現役でやっていた時と違うのは、一人ではないということだ。僕には応援してくれる人や支援者は沢山いたけど、レースの現場では一人だった。同じ覚悟でいてくれる人はいなかった。資金繰り自分自身で、プレッシャーも全て自分で背負ってレースしていた。でも、今のサニーはチームで戦うことができる。僕ももう一度、挑戦できるということだ。本当にこれからが楽しみだ。ついてきてくれた選手、スタッフには本当に感謝している。僕だけでは無理なのだ。皆んなで最高の景色を見たい!

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